人生の記録と高校でぼっち飯してた記憶とFF11に夢見て色々あって結局引退した話

記憶違いや時系列が若干前後しているかもしれませんが、ご容赦。100%自分語り。

◆FF11をやりたい

中学生の頃、ゲーム雑誌(電撃プレイステーション)を眺めていたらFF11の特集記事があった。

FF11は、この前ブログで書いたFF14の前身となったゲームで、ファイナルファンタジーシリーズ初のオンライン専用ゲームとなる。

↓この前のブログ

特集記事を隅から隅まで見て思った。

「FF11めっちゃやってみたい」

FFシリーズの経験といえば従姉妹の家でFF9をちょっとやったり、叔母から借りたFF7をちょっとやったり、元自衛隊のおっさんがたまに家に来てFF10をプレイしているのを眺めていたり、それくらい。

元自衛隊のおっさんは母の飲み友達であったが、自分が15歳になった辺りから来なくなった。そういう性癖だったらしい。

FF11はオンラインゲームなので、ソフト代に加え月額費1300円程かかる。更にPlayStation2(以下PS2)に装着するBBユニットとかいう外付けHDDを購入する必要があった。当時は確か15,000円くらいの代物だ。

中学生には色々とキツイ…。とりあえずお年玉を貯めておくことに。

遊びたい欲を抑えきれず、攻略本を2冊購入した。プレイ動画が収録されているだけの特典DVDを繰り返し再生し、頭に焼き付ける。

子供にありがちな、攻略本を読んだだけでプレイした気になる現象をもろに体現していた。

◆準備は万端

小さい頃から母とスナック通いをしていた。ある日スナック常連のおじさんから、タイピング練習をする電子機器(キーボードの形をしている)を譲り受ける。

オンラインゲームではチャットは必須。パソコンなんて贅沢品は家に無かったのでとてもありがたい。

キーボードの「F5~F8キー」辺りに小さな液晶ディスプレイがついているだけの、本当にキーボード部分しかない機械。ディスプレイに「frfrfr…jujuju」のように表示され、その通りにタイピングをする。上級モードでは英単語が表示され、夢中になって毎日練習を繰り返す。

1ヶ月も経った頃にはホームポジションをバッチリ覚え、英単語をスムーズにタイピング出来るようになっていた。

キーボードをくれたおじさんは酒の飲み過ぎで亡くなった。

◆さらば中学

中学卒業の日。

卒業文集にはみんなが在学時代の思い出や将来の夢について綴られていた。

自分は「卒業したらFF11をやりたいです。チョコボが可愛くて~」などとプレイした事もないゲームについて熱く書き連ねた記憶がある。作文用紙の隅っこにはチョコボやモーグリなんか描いたりして、そのまま掲載された。

今思うと少し頭がおかしいかもしれない。

卒業式が終わり教室に戻ると、友達が全員泣いていた。ゲームを貸してくれたあの子も、いきなりビンタしてきたあの子も、妙に距離感が近いあの子も、みんな泣いていた。

「何であんただけ泣いてないんだよ!」

んなこと聞かれても、わからん。サトシの絶体絶命時にピカチュウがオニスズメを撃退したシーンは泣いた。

「あなたは学年一、変な人でした」

最後の最後に担任だった国語の先生から言われた。

なんで??

担任の秘書係というワケの分からない役目に指名されて甘んじて請け負っていたのに、なんで??とりあえず困った顔を浮かべた。早くFF11やりてぇな。

結局何が変だったのか理由を聞きそびれたので、今でもたまにモヤモヤしている。

◆こんにちは高校、こんにちはFF11

高校生になった。

貯めたお年玉でFF11とBBユニット、USBキーボードを購入し、ついに待望の世界へと降り立った。

FF14と同じく、エルフ耳で4頭身くらいのちびキャラだ。お団子頭がキュートな女の子。職業は盗人、シーフを選んだ。街中でギルドメンバーを募集していた人に話し掛け、初めてギルドに加入することになる。

職業柄、常に帽子を被っており髪型が見えないので、ずっと♂キャラを使っている中学生男子だと思われていたらしい。高校生です。

 

高校は特にこだわりも無く、受験勉強ぜったくやりたくないマンだったので指定校推薦を目指した。指定校で入れなかった場合は就職するつもりで。中学ではそれなりに内申点を稼ぐように努めていたが、体育だけ5段階中2だった。おかしいな。無事、一番近くの高校へ進学した。

入学初日。クラスのみんなは携帯電話を持っており、連絡先を交換していた。母にねだってみたが結果虚しく

「バイトして自分で買えよ」

ですよね。

たまに会話する人が2人いたが、その人たちは吹奏楽部で自分は帰宅部同然の同好会。どことなくお互いよそよそしい。

昼休みはぼっち飯が多かった。二人一組になって~なんて言われていたら間違いなくあふれている人種だ。

授業が終わると即刻帰宅してFF11に明け暮れた。

◆母、参入

しばらく遊んで月額料金がキツイな~と思い母にFF11を勧めてみたところ、ドップリはまった。代わりにWebマネーで支払ってくれるのでラッキー。母も自分と同じギルドに加入した。

◆まったりプレイ

フィールドを歩いているだけで楽しかったので、効率プレイとは程遠い遊び方をしていた。散歩がてら弱い羊や蜂を倒し、素材を調合して競売へ出品し、日本人とガッツリレベルを上げ、外国の人と死にながらレベルを上る。そんな適当具合がとても楽しい。

PS2は母と共用でPSのアカウントも1個でプレイしていたので、2人が同時に遊ぶことは出来なかった。どちらがログインするか、よく言い合いをした気がする。毎日お昼の弁当を作って貰っていたが、言い合いがヒートアップして弁当は無くなった。次の日から毎日菓子パンになった。まぁいいか。

母にはあっという間にレベルを抜かされた。

◆初めてのオフ会

母は言った。

「オフ会がどうのって話になったから、お前、代わりに行ってこいよ」

なんで????

顔見せNG系母ちゃんなの?なんなの?いたいけな高校生を野に放つの?

結局、秋葉原でオフ会をすることになった。高校生まで徒歩か自転車通学だったので、慣れない電車を必死で乗り継いだ。携帯も持って無いのに。

集合場所には赤いアイシャドウが素敵な20代女性のLさんと、つるっつるの坊主頭で横幅と縦幅が規格外な30代男性Xさんがいた。

Xさんは、寺生まれですか?と思うほどつるっつるだった。こんなでかい人が普段はイケメンの白魔導士で傷ついた人をせっせと癒しているなんて、とてもじゃないが信じられない。

あの頃はメイドカフェが流行り始めてきた時代だった。高級そうな椅子に座り、3人並んでメイドさん足裏マッサージを受けた。なんだこのプラン。

食事もしたと思うのだが、会話内容は一切覚えていない。帰宅後、母にどうだった?と聞かれた。

「Xさんがつるっつるですげーでかかった」

◆進級

高校2年生になった。

クラス替えに伴い、なぜか友達がたくさん増えた。相性ってあるんだなぁ。広い廊下の隅っこで10人ほど輪になり、お昼を食べる。2、3年はクラス替えが無いので卒業するまで毎日輪になった。

脱ぼっちおめでとう、ありがとう。

この友達とは今でも交流が続いている。ありがたい。

◆初めてのアルバイト

FF11で気になっていた人と連絡を取りたかったので、携帯を買うべくアルバイトを始めることにした。出会い厨か?

スナックの常連さんが小僧寿しでパートをしているらしく、面接受けてみる?と言ってくれたので、即履歴書を作り小僧寿しへ。

店長との面接はレジの横で立ったまま行われた。

「爪は短く切ってきてね!」
「はいっ」
「挨拶はちゃんと出来る?」
「できますっ」
「髪はあんまり明るい色はダメよ」
「はいっ染めたことありませんっ」

そのまま採用された。時給は700円ちょい、今思うと安すぎる。

土日含む週4日シフトに入り、給料が出た後すぐに携帯を購入した。

FF11を引退するまで、気になる人と出会うことはなかった。さらば、初恋。

◆夫婦の引退

ギルドで仲良くして貰っていたとある奥さんと旦那さんの間には、ある約束があった。

『廃人生活になってしまった時代のキャラクターを二人とも封印して、新しいキャラクターでレベル1からやり直す。封印したキャラクターでは一切ログインしてはならない、約束を破った場合は二人とも即刻引退する』

ある日、クエストの為にダンジョンで立ち往生していると、旦那さんの名前に似ているキャラが後ろに居た。いつものキャラが二郎だとするならば、そこに居たのは一郎だった。一郎は二郎と違い、レベル75でカンストしていた。自分のレベルは60くらい。

旦那さんは秘密の強キャラを持っているらしい、と以前母が言っていたのを思い出した。

「もしかして、二郎さんですか?」
「ダンジョンの奥まで護衛してやるよ」
「あざっす!」
「内緒なw」

何が内緒?具体的に理解していなかったのが今では悔やまれる。


後日、奥さんと雑談をしていた。

「手伝って貰ってクエスト達成出来ました」
「誰と行ってきたの?」
「一郎、だったかと」
「……それ、本当?」

それからすぐにギルドメンバーが集まったタイミングで、上で述べた約束のこと、二人揃ってFF11を引退すること、悪いのは約束を破った二郎だけで、あなたは悪くない、ということを淡々と告げられた。

めちゃくちゃ泣いた。家に誰も居ない時でよかった。「ごめんなさい、本当にごめんなさい」とチャットで繰り返しながら、めちゃくちゃ泣いた。

そのことを知った母は「あ~あ、お前…」という反応を示した。もしかすると、母が自分に秘密の話をした時に理由まできちんと説明しており、そのことを聞き流していたのかもしれない。

 

思い返せば夫婦はログインする日もまちまちで、夜遅くなる前にはログアウトする健全なプレイスタイルだった。二度とオンラインゲームで廃人生活を繰り返さないよう、リアルでの夫婦の時間を最優先にして、第二のオンライン生活を始めたに違いなかったのだ。

自分の軽率な発言のせいで2人のキャラクターを削除へ追い込み、夫婦が費やしてきた貴重な時間を握りつぶしてしまった。

それからしばらくは、自責の念に苛まれていた。

◆さようなら

夫婦引退事件を起こしてしまってからは、レベル1の職業をレベル18まで上げ、また別の職業に変えレベルを上げ…という行為を繰り返していた。レベル18辺りを超えると、知らない人とパーティを組まなければ殆ど経験値を稼げないから。ギルドに顔を出さない日が増え、一切会話せずに1日を終えることが増えていく。

すっかり人避けをするようになっていた。

仲良しになるほど、それを失った時のショックがでかい。それなら最初から一人で遊んでた方がいい。

中学生の時から夢見て始めたゲームだったので引退には踏み切れず、ただその世界に居続けたかった。

全ての職業がレベル18になってしまったので、美少女のサブキャラを作り同じことを繰り返した。そのキャラで、見返り無しでケアル(回復魔法)をかけ続けてくれる40歳独身男性に出会う。詳細は割愛。

◆おわりに

高校2年の終盤、結局FF11を引退した。

引退する時にはプレイ時間が約80日を超えていた。時間にすると1920時間
高校を卒業する頃、母のプレイ時間は365日を超えていた。8760時間。やりすぎでは?

母は2chで晒されるほど活発に遊び続けていた。


「裏ダンジョンでレアアイテムをちゃっかりゲットしたから、私念だろ」
とのこと。母は強し。

そんなこんなでプリンなメンタルは高校で削れ、社会人で削れ、ネット上ではすっかり人避けムーヴが癖になっていますが、今日も元気です。

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