前回、寿司屋(男性向けアカウント)にハンバーグ寿司(女性向けの話)を置い(呟い)ても、手に取って(反応)は貰えないからハンバーグ屋(女性向けアカウント)を開いたよって話をした。
でもハンバーグ屋にはハンバーグ屋なりのガッチガチに凝り固まったマイルールが蔓延っていた。
男性向けジャンル社会の中で見事に完遂された人類補完計画。バラバラに散らばったモラルだのマナーだのという要素は、「(訴えられなければ)割とどうでもいい」というガバガバな意識に統合され、太古の始祖民族『アダム』となりぽいプの意識もそこへ溶け込んでいた。
とても心地よく、意識レベルの低い魂として漂っていたところに、黒き月こと女性向けジャンル『リリス』が衝突した(ファースポインパクト)。ぽいプの意識は弾き出されて、気が付けば真っ赤な海を望む砂浜にいた。
『リリス』から生み出されたのは、各々の「暗黙のマイルール」を武器に戦う『リリン』達だった。彼女らが群雄割拠する台地を目指し、倒木からイカダを作りあげたぽいプことポかりシンジは広大な赤い海へと漕ぎ出たのであった…
と、スケールのでかそうなことを言ってみたのだけど、女性向けジャンルの実体は腑に落ちないルールでの殴り合いだ。いや表立って殴り合っていることは稀なんだけども、日々穏やかな同調圧力を感じている。決して誰が何を言うわけでもないのだが。「あんたねぇ!ここにはここの規則ってもんがあるんだから、一応守りなさいよ!このバカシンジ!」とアスカには怒られ「知らないよぉ!急にこんな場所に落とされて。僕が何をしたっていうの!?誰も、何も教えてくれないじゃないか!!」とポかりシンジは嘆いているのだ。
ぽいプから無理やり分離させた精神なので、そりゃまぁ女性向け初心者もいいところ。今までにがっつりハマってた作品ってハガレン、HUNTERxHUNTER、艦これ。そっからいきなり女性向けに大ジャンプして、三途の川の対岸に行ってしまったわけで。河原で小石積んでた坊主たちもギョッとしてこっちを見てるんですよ。そんな感じで、川の向こう側で胡坐をかき、パカっとノパソを開いて、TLを眺めては「呼びタメ」や「同担」、「同嫁」というワードをググりながら色々と学んでいる。隣では死んだ婆ちゃんがノパソの画面を覗き込んでいる。ごめん、婆ちゃんはまだ生きてた。
学んでいる、のだけども。時々、エタノール5%くらいの超希釈消毒液を差し出されて「手指の消毒をちゃんとしなさい」と言われているような気がして「70%以上ないの?そのマイルール意味あるの?」と斜に構えながら両手をゴシゴシと擦り付けて日々キョロキョロしている。それでも次から次へと新しいマイルールに遭遇するのだから女性向け界隈というのは底が知れない。そろそろ熟練見張り員でも雇いたい気分だ。
はじめに断っておくが、自分が扱っている女性向け二次創作は男×女だ。ウホッは描けない。見れるけども。というか男×女のスケベとか男性向けとやってることが変わらない気がする。やってることは同じでルールだけが違い過ぎるから日々モヤモヤを感じているのかもしれない。
そんなやり切れない思いを抱きつつ、こんなジャンルにハマってしまったことを若干後悔しつつ、どデカいモラルと古い慣習と感情論という大きな土台の上に成り立っている印象の強い、女性向け独特のマイルールを、表面だけ。浅い部分だけ。さら~っと紹介したいと思う。
◆検索除けしなさい
女性向けジャンルでは固有名詞は伏字をしてツイートしなさいという暗黙のマイルールがある。公式や一般人の目に入らないようにするためだとか。
「ポケモン」をpkmnと言ったり
「東京卍リベンジャーズ」をtkrvと言ったり
キャラ名を絵文字で表現したりする。
ピカチュウはなんだろう。⚡🐁になるのだろうか。知らないのだけど。
普段の呟きから全て伏せ字を使わなければいけない雰囲気がある。とりあえず全部伏せとけ精神。専用の伏せ字や絵文字が無かったり知らない場合は「ピ○チュウ」とか「ピiカiチiュiウ」と書かないといけない。普通の呟きすら困難になる。正直めんどい。
キャラ同士がくっついてたり、卑猥な絵を上げる時だけ伏せておけばいいと思うのだけど。アカウントの存在すら認知されてはいけないようだ。
公式の目に入ったらマズイということで、「公式アカウントをブロックするのはルール」と主張する人もいるらしい。
アイドルや舞台役者など、実在する人を二次元として扱うジャンルなどは必須なところもあるだろうが、女性向け全般に適用するのは拡大解釈が過ぎる気がする。
男性向けはたとえロリショタアカウントでも、艦娘の首を絞めてるアカウントでも、おっぱい揉みたいしか言わないアカウントでも、ぽいぽい言ってキモいなりきりしてるアカウントでも(こっち見ないで!)伏せ字を気にしなくていいもの。気楽なもんだ。
◆同人誌は「買う」ではなくて「頒布」と言いましょう
これはよく聞く話だとおもう。
同人誌を「売る」「買う」なんて言うと怒られる。「頒布する」「手に取る」と言いましょう。
未だにそんな化石マインドマイルール生きてるのか?誰も気にしてなくない?と思っていたのだが。
いた。というか、いたらしい。
Twitterでとあるスペースを聞いていた人から教えて貰った。その会話の中で「同人誌を”売る”には云々…」という質問があったらしく、「売るじゃなくて頒布すると言いなさい」とホストの人が注意していたらしい。
おかしいな。ホストの人は通販サイトを利用して同人誌を出品しているのに。
通信販売サイト。販売=売るなのに。
ち○ちんを描いてもいいけどちん○んって口に出して言っちゃダメってこと?
わけがわからないよ!ミサトさぁん!
これも「暗黙のマイルール」の闇だろうか。非常に理不尽な世界でモヤモヤする。
男性向けはもう、そんな雰囲気消え去ってるよね。気楽なもんだ。
◆欲しい物リストはダメです
「Amazon欲しいものリストは許せません。地雷です」と書いている人をたまに見る。
プロフィールに欲しいものリストを貼ってる人は結構居るし、それを「乞食だ!」と言って非難する人もチラホラ見掛ける。男性向けですら見掛ける。
でもこの「地雷です!」と主張する人の中には、同人誌の価格を通販分の手数料を乗せた上でさらに相場よりも結構お高めに設定していたりする。
あれれ~?おかしいぞ~?
同人誌は本と現金のトレードな一方で、欲しい物リストは物として貰っている分、いくらか健全だと思うのだけど。
日頃の感謝の印として「素敵な作品をいつもありがとう。お菓子でも食べておくれ」とプレゼントする人がいてもいいじゃない。
タダで貰ってるとしか認識されていない?
ペイントソフトへの課金や環境整備費、時間をかけて作り上げたデジタルデータは無価値?
印刷した物にだけ対価を受け取るに足る価値が生まれると思っているのだろうか。
「地雷です!」と主張する人達の倫理観に反しているとしても道徳的にはありじゃないかな。
(営利非営利の長ったらしい話は削除されました)
まぁともかく、すげー高い棚の上から「印刷した同人誌は素晴らしいのよー!正義よー!」と主張されている気がする。
いや自分はそのジャンルで本も出してないし欲しい物リストも貼ってないから全くの無関係なのだけども。自分自身は棚上げして他人には厳しい世界だなと思う。
『欲しいものリストは乞食です!同人誌は印刷費の対価に現金を頂いているだけだからセーフです!』
「印刷費」を万能な言い訳に使い過ぎ問題。
◆受注生産は絶対に許しません
「同人誌予約開始しました!」と言って、必要な部数が判明してから印刷会社へ注文する…のはアウトらしい。
各ジャンルの二次創作ガイドラインでは受注生産についての記載を見たことがないので、暗黙のマイルールなのか感情的な問題なのか利益になると分かりやすいからなのか著作権法に触れているのかは分からないが、とにかくダメらしい。
女性向けのジャンル内で何度か見掛けたことがあるのだが、受注生産している人がいると必ず「それは受注生産になります。マナー違反です!すぐにやめてください!」とリプライがつく。
こわやこわや。いや立派な正義感、なのだけど。
もう本出してる時点で著作権に触れているのだから、受注の有無ってそこまで重要なのだろうかと思ってしまう。釣り具屋で釣り針盗んで、ついでにコマセも盗んだ人に対して「コマセを盗むのはダメです!!でもその盗んだ釣り針はちょっと分けてください!」とちぐはぐな指摘をしているように見える(これを書く直前、「コロナ禍になってから釣具屋の窃盗が増えた」という記事を見てしまったんだ)。
個人的な見え方だ。法に詳しい人から見たら違うのかもしれない。
男性向けはさ、時雨ちゃんの抱き枕カバー受注生産とか、大々的に色々見掛けるけど誰も何も言わんよね。統合思念体「割とどうでもいい」だもの。
◆部数は言っちゃダメです
同人誌の具体的な部数を表で言わないのはマナー。これは男女共通の認識のようだ。表で言ってる人を見たことがない。
これはまぁ分かる。グレーゾーンでの利益だから。奥付の印刷所を見れば利益計算までバッチリ計算できてしまう。盗んだ財布の中身をネットに上げてるようなものだ。やるなら仲間内だけとか、こっそりね。
ニコ生でコメントしていた時、生主から「ぽいプさんって何冊くらい売れたの~?」なんて聞かれた時には、おいちょっと!ここで聞くな!とぼかすのに必死だった。
ここ、読んでるんでしょう?
聞いちゃだめだッピ!
◆おわり
『団体行動を乱すな!』
『自分はよくても他の人はダメです!』
そんなノリをちょいちょい感じつつも、『リリン』達の中で息を潜めて何とかやっています。
この前、艦これのイラストが流れてきて「おっいいな」ってホームに飛んでみたらプロフに「腐を投稿します」と書いてあった。
なんと、ハンバーグ屋でサーモン寿司を扱っている店主も存在していたのだ。すごい。
これからも頑張ってください。影ながら応援しています。
このブログ、女性向けのアカウントで投稿したら鍵アカから引用RTされてすげー叩かれると思う。
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